令和5年5月に策定された「健康日本21(第三次)」の基本的な方向のひとつとして、「ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり」が掲げられました。幼少期からの生活習慣や健康状態は成長してからの健康状態にも大きく影響を与えること、妊婦の健康増進がこどもの健康にも影響すること、高齢期に至るまで健康を保持するためには、若年期からの取組が重要であること等を踏まえ、本年度は、「“将来の自分”を意識した生活習慣の重要性」をテーマに、小児期から若年期の健康課題とその具体的な方策について考えていきたいと思います。
本シンポジウムでは小児期から若年期における悪しき生活習慣の将来的なリスク、食生活・運動習慣をはじめとする生活習慣改善のポイント、日本型食生活の意義と活用法等について、それぞれの疾患、生活指導、栄養、運動の専門家からのアドバイスを踏まえ、健やかな生活習慣を身につけ健康寿命を延ばすためには、どのような指導・普及支援等を行えばよいのか、医学的・栄養学的に考えます。
![配信期間 2023/12/1 [FRI] 10:00~2024/2/28 [WED] 23:59](assets/images/img_schedule_time.png)
- 参加対象
- 医師、管理栄養士・栄養士等
主催:公益社団法人 日本医師会 公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構
※本セミナーは日本栄養士会生涯教育単位 実務研修 全分野共通(90-110) 講義1単位 の対象です。
PROGRAM プログラム
- 主催者挨拶
- 公益社団法人 日本医師会 公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構
- 座 長
- 寺本 民生 先生 帝京大学臨床研究センター センター長 / 寺本内科・歯科クリニック 内科院長
講演 01 胎児期から始まる小児・思春期の健康課題
小児期は、心と体が成長・成熟していく重要な時期であり、こどもたちの健やかな成長に欠かせないのが「栄養」です。胎児期から始まる小児期の肥満は、壮年期の肥満やメタボリックシンドロームの原因となり、思春期の女性に多いやせや摂食障害は、低栄養から成長障害などにつながるといわれています。本講演では、小児のライフサイクルにおける様々な健康課題を取り上げながら、その背景や将来への影響について解説するほか、成長過程における栄養や食育の重要性についても言及します。
講演 02 こどもの生活習慣病と食の重要性
こどもの肥満は、将来、生活習慣病や動脈硬化性疾患を引き起こすリスクが高いことから、早期から生活習慣を是正していくことが重要です。本講演では、小児の肥満の病態・原因などについて解説するとともに、こどもたちが健康に成長するために必要な食事・身体活動・生活リズムについて考えてみたいと思います。特に食事面では、小児肥満予防におすすめの「さわやかダイエット」を紹介し、和食の有用性についても言及します。
講演 03 若い女性のやせと健康リスク
私たちは、やせていてもインスリン抵抗性等の異常によって、肥満者と同様の体質となり、糖尿病のリスクを高めることを世界で初めて明らかにしました。日本人の若い女性の多くは、食事量・運動量がともに少ない「エネルギー低回転タイプ」で、骨格筋量も少なく、将来、糖尿病や骨粗鬆症などになる健康リスクが高いと考えられます。ここでは独自データを交えながら警鐘を鳴らすとともに、ごはんを中心とした食事や運動についても紹介します。
講演 04 将来の健康を見据えた栄養と食事
将来、生活習慣病で困らないためには、こどもの頃から正しい食習慣を身につけ、実践していくことが重要です。本講演では、胎児の栄養のあり方並びに給食の現状を含めたわが国の小児の栄養・食事事情を踏まえ、どのような栄養をどのくらい摂ればよいのか、学校や家庭及び社会ではどのような点に注意したらよいのかなど、実際の栄養教育や食育の現場で、すぐに役立つ指導のポイントについてご紹介します。また、日本人の長寿を支える健康的な食事として、「ごはんを中心とする日本型食生活」に着目し、ごはん食のメリット、栄養学的意義、上手な活用法などについても説明します。
クロージング サミットまとめ
各講演は40分間(講演30分+座長とのディスカッション10分)の予定です。